マタンゴ
「マタンゴ」('63)登場
マーミット・ビニールパラダイス
 変身人間シリーズの一本に数えられはするものの、時代を経ても独特の存在感を持ち続けている作品ですね。でも、そこに描かれる恐怖は、極限状態に置かれた人間の心理そのものであって、化け物としての当のマタンゴは、作品中ではそれほど印象的なわけではありません。むしろ造型物としてはユーモラスとも言えるかも知れないですね。ビニパラのマタンゴは緑、青、茶色などあるようですが、最もスタンダードなこのグリーン成型色は、なんかキノコというより、むしろカリフラワーのようです(笑)。
M1号(2000)
 これは福袋に入ってた無彩色のものなので、これを見る限りではほとんどわかりませんが、M1号のマタンゴには目があるのです。そのためにマタンゴであってマタンゴでなく、かといって他の何ものでもないといった、不思議なキャラクター性を持っています。手もちゃんと5本指になっていて、本来のキャラクターに人形としての「人間っぽさ」を加味するのがM1号の方向性のひとつかも知れません。でもこれは考えようによっては、劇中に登場するマタンゴ化する途中の人間が、さらにマタンゴに近付いた、でもまだ完全なマタンゴじゃない状態、という風にもとれて面白いです。

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